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2025.07.24
【中条 葵】

私の犬

幼き日の私には、初めて“忠誠”を教え込んだ存在がいた。
それは、ふわふわの毛並みを持つ小さな子犬。
「あなたがちゃんと面倒を見るなら飼ってもいいわよ」
そう言われて迎えた、小さなラブラドールレトリバーの赤ちゃん。

最初は私の手のひらにすっぽり収まるほどの、か弱くて無垢な命。
けれど、そんな子も一年も経てば、私よりずっと大きくなっていたわ。

その頃にはもう、私は彼の“女王”としての地位をしっかりと確立していたの。
毎日朝と晩、1時間ずつの散歩。
ルールを教え、信頼を築き、
「誰が主で、誰が従か」
その絶対的な秩序を、身体に刻み込ませたわ。

お座り、待て、お手、伏せ。
芸を覚えた彼は、私の指一本で完璧に従う立派な忠犬になったの。
でも一番可愛かったのは
甘えん坊で、イタズラ好きで、
そして誰よりもヤキモチ焼きなところ。
そんなところも全部、大好きだった。

思えば私、
昔からずっと“大きな犬”を躾けるのが得意だったのかもしれないわね。

だからかしら。
今でもやっぱり
犬みたいな、男が好き。

忠誠と、服従と、
その奥にある純粋な愛情と欲望。
それを感じられる“犬”は、最高のパートナーよ。

 

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