2026.02.14
【中条 葵】
皆様、ごきげんよう。
口の中でチョコレートをゆっくり蕩けさせながら失礼いたします、葵です。
本日は、国に背き、密かに愛を誓わせた司祭が、
その罪により斬首されたされる日だそうですね。
本当かどうか、よく知らないけれど。
「斬首」
数ある刑罰の中では、比較的慈悲のあるものとされているとか。
一瞬で終わるから。
けれど、本当に残酷なのは、終わらない時間ではなくて、終わりを待つ時間なのかもしれませんね。
さて。
そんな日に、私の前で長い拷問に耐えている貴方。
必死に抗っているつもりでも、
その姿はどこか滑稽で、愛おしい。
罵声を浴びせられ、
冷たい視線で見下ろされ、
情けなく揺れる心と身体。
まだ終わらないわよ。
私の気が済んでいないもの。
休みたい?
甘えないで。
私は貴方の限界まで追い詰める。
それなのに…
どうしてそんな顔をするの?
苦しいはずなのに、どうしてそんなに嬉しそうなの?
この変態。
きっとヴァレンティヌスも、天から目を丸くしているでしょうね。
でもね、ヴァレンティヌス様…
愛にはいろいろな形があるみたいですよ。
甘いだけが愛ではない。
支配も、試練も、時には“刑”さえも、それを望む心があるのなら、それもまたひとつの愛。







