2026.02.06
【中条 葵】
ごきげんよう、葵です
今日は少しだけ、私の嗜好についてお話しさせて頂くわね。
BSS、という言葉をご存じかしら。
オタク界隈で使われるネットスラングで、
BSS=「僕が先に好きだったのに」
という、なんとも情けない造語。
NTRのようなもの、と言えば分かりやすいでしょうか。
ただし決定的に違うのは、
BSSには「関係」すら存在しないという点。
想いは伝えていない。
触れてもいない。
名前すら呼ばれていないかもしれない。
それなのに、
誰かの隣に立つ姿を見ただけで、
胸が締めつけられ、
奪われたような気になり、
勝手に傷つき、勝手に喪失感に沈んでいく。
なんて烏滸がましくて、
なんて惨めで、
なんて愛おしいのでしょう。
大切に思いすぎるあまり、関係が壊れるのが怖くて踏み出せなかったのかもしれない。
自分には到底釣り合わないと、最初から諦めていたのかもしれない。
想いを伝えたら、相手を困らせてしまうのではないかと、
その「優しさ」で、何も出来なかったのかもしれない。
独りよがりで、臆病で、結果として何一つ手に入れられず、ただ敗北だけを抱えて立ち尽くす。
私は、そういう姿がとても好き。
だって、NTRよりも、BSSの方が圧倒的に「敗北感」があるでしょう?
努力も、主張も、覚悟も足りないまま、ただ負けたという事実だけが残るのですもの。
犬のように騒がしく求愛して、靴を舐める子も可愛い。
でも、声すら出せずに飲み込んだ想いを抱えたまま、静かに崩れていく子も、本当に可愛い。
どちらが上かなんて決められないわ。
どちらも捨てがたい。
どちらも、私の好み。
どうやら私は、情けなくて、可哀想で、それでも必死に感情を抱えている人間を見ると、とても興奮してしまうみたい。
本当に困った女王様だわ。







