2025.10.23
【中条 葵】
ごきげんよう、葵です。
「目は口ほどに物を言う」と申しますが、
あの言葉ほど真実味のあるものも少ない気がします。
見るつもりがなくても、見てしまう。
見られていることに気づきながら、知らぬふりをしてみる。
その一瞬の駆け引きに、体温が少しだけ上がる。
「見ているだけ」
「見られているだけ」
「まだ何もしていない」
と思っているのでしょうけれど、
もう充分に出来上がってしまっているのです。
視ることで感じ、感じることで支配される。
視線は言葉よりも、よほど正直で、いやらしい。
私の脚元に跪く子を眺めながら、今日も思うのです。
まったく、世の中は可愛い変態で溢れているわね。







